研究室何処へ
研究室の日々,大学の日々を綴ります
久しぶりに
久しぶりに更新をしました。
忘れていたわけではないのですが、足が遠のきました。
気がつけばもう12月です。

テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術

 世界トップレベル研究拠点プログラムの審査結果が公表されました。
http://www.jsps.go.jp/j-toplevel/03_sinsa.html

東大1、京大1、阪大1、東北大1、国研1の5件、すべて理系で、文系はなし(そもそも応募なし)。
そして、採択された大学機関はすべて旧帝大でした。
 ひとまずは、こんなところなのでしょう。

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かわいい子には旅をさせよ
という慣用句は、研究室の学生にも当てはまるかもしれません。

 従来型の研究者養成システムでは一般に、同じラボで学部、修士、博士と育った学生がそのまま同じラボの助教となり、後輩となる学生の指導を担当します。そして、いずれ自分のラボを持つ日には所属するラボを去り、他大学ないし外部研究機関に転出することになります。
 晴れて准教授としてご栄転・・・そうなるはずなのですが、昨今、ポスト不足の影響か、そろそろ・・・という時期になってもなお、なかなか転出できない助教が増大しています。いろいろと原因を考えるのですが、本人に問題があるケースも少なくないように思います。学部入学から10年あるいはそれ以上の年月にわたって同じ大学の同じラボの中で純粋培養され、年齢も30前後になっていますから、もはや柔軟性は完全に失われています。特定のラボの研究、価値観や組織運営の仕組みに染まってしまっていて、そこから脱却して新たな研究や組織に適応するのは到底難しいと見られるようなケースが多く、それが大学であれ民間の研究機関であれ、転出先の受け入れにおいて敬遠される一因となっているようにも思います。
 任期付でない助教ポストの滞留によりラボの新陳代謝が悪くなり、それより若い博士課程の修了生の進路を外部に求めざるを得なくなりますが、それも決して容易いことではありません。そうした状況を知った優秀な修士学生が博士課程に進学することを敬遠し、影響は広範囲に及びます。
 
 問題を打開するためには、従来の研究者養成システムの仕組みに囚われない、大胆な改革が必要でしょう。博士課程の進学時点でラボを変える、また助教採用時にラボを変える、といった研究環境の変化を促進する何らかの仕組みが必須かも知れません。具体案の一例を挙げれば、学振研究員や大学教員採用の仕組みにおいて、博士進学時点ないし博士修了時点でラボを変更したものの採用を優先するといった仕組みです。
 ちなみに、anywhereは博士課程進学時点でラボを変え、博士課程修了時点でもラボを変えました。ラボの変更を躊躇しなかったといえば嘘になりますが、異なる大学組織、異なるラボを経験したことで研究の幅が広がり、ラボの運営や大学組織の仕組みに対する視野が圧倒的に広がりました。自分なりのラボの理想像を描く上でも、複数のラボを経験することは大いに役立ちます。それまで所属した研究室を主宰する教授たちとの関係はとても良好で、ラボを変えたことによる悪影響はありません。出身ラボの教授たちが皆、人格的に立派な人物であったせいもありますが、何よりanywhereが研究者として自立した道を歩むことが出身ラボへの最大の貢献になっているからです。

 かわいい子には旅をさせよ−この名言を自分のラボにあてはめ、恩師たちがそうであったように、anywhereも学生を躊躇せずに旅立たせ、その成果を楽しみに待とうと思います。

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公募書類の書き方(4)
 公募書類の書き方について、書いてきました。 
 いろいろと書きましたが、実際には、大学の教員採用に際して何が重視されるのか、ということは、一概にはいえないと思います。その大学が研究重視の大学であれば、研究歴や主要業績、論文、学会活動を重視してみられるでしょうし、教育重視の大学であれば、教育歴をみられるでしょう。大学によって、また、公募内容によって、重視されるものは異なってくるはずです。公募書類をよく見極めた上で、求められるポストと自分のもてるもののマッチングを、自分で図っていくことが必要です。そのために、自分で自分のことが見えていることが前提になります。

 おそらく、しっかりしたまともな大学であれば、研究も教育も、両方きちんとみていることは間違いありません。候補者の履歴書に対する選考委員の向き合い方は、お見合いの釣書に向き合う時のそれと似ているように感じます。帯に短したすきに長し、を天秤にかけながら、候補者を何段階かに絞っていき、最後にどこか妥協しつつ採用する、というケースも多いに違いありません。それゆえ、他の候補者としてどのような人が残るのか、ということにも左右されるはずであり、運もあるのだと思います。

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公募書類の書き方(3)
 公募書類の書き方で考えなければいけないもうひとつの要素は、教育経験、教育歴です。
 これは大学教員公募の場合、以前にもまして昨今、重要度を増してきているように思います。過去に、どのような科目をどの程度のコマ数、どの程度の期間で担当してきたのか、という情報は、採用の際の決め手になる可能性もあると思います。
 たとえば、その採用公募に「前任者」が存在する場合で、その前任者の科目をそのまま引き継いで担当することが可能な候補者が現れれば、新たに非常勤講師の手配をしなくてすむので、とても好都合です。また、自分の専門領域以外に一般的な基礎科目や演習科目など担当できるのであれば、それに越したことはありません。既にその組織にいる教員にとって、助けになる可能性が高いからです。競合する採用候補者がいて、公募が求める人材が担当するであろう科目で教育経験があること、幅広い領域を担当可能であることは、間違いなく競合する候補者に対して有利に働くに違いありません。
 候補者によっては、それまでの経歴から、教育経験がないケースもあると思います。若手公募の場合は教育経験がないこともやむを得ないとされますが、教授准教授クラスの公募の場合、大学での教育経験を持つ者による応募が増加するので、教育経験がゼロであることは不利に働く可能性が高いように思います。非常勤講師などで教育歴を作ること、社会的活動や職歴でカバーするなどの方策が有効な手段だと感じます。

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